待っていたの
婚姻は、男の家に女が嫁に来るのが世界での常識だ、まれに違う奴もいるが。


どうしても、オンナを守る男という感覚で考えてしまうが、女は守られるほど弱くないと白夜は思う。


彩を見ていると、迷い傷つきながらも進んでいる。


男からの仕打ちにも耐えて、子を産み育てる。


白夜自身女を馬鹿にする気もないのだが、どうも彩の事になると自制が効かなくなる。


気持ちのいい風にのって、彩の香を運んでくる。


ただ本を読み書き付けをする彩を見ていてフト思う。

「講義に出ればいいじゃないか、ひとりで勉強せずに」

「先生がいません」

「センセイ……師か、宰相か三師に習えばいい」

「三師の方々……も、宰相も私の味方ではありませんから、偏った知識をいれるわけにはいきません」

三師は、太師、太保、太傅という役職名で王の教育係である、位はやたら高いがほぼ会議に出席しない。



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