待っていたの
陛下の部屋に戻るというか、陛下の部屋の一部だが。


「お待たせ致しました、陛下」

「ああ……」

そういう白夜はゴテゴテの王子様衣装(彩談)青よりも尚濃い青を貴重に、肩には金の肩当てが付いている、その丈は膝が隠れるほど。


彩は手首につけていたシュシュで髪の毛をひとまとめにしている。

(陛下の髪どうするんだろ、昔の西洋風みたいな服だしアントワネットみたいなのは無理だよ?)


「御髪はいかがいたしますか?」

―…おぐしはいかがいたしますか?


その言葉に違和感を覚えた白夜。

「お前、どこでその言葉使いを覚えた……?」

「時代劇で、それっぽい口調ですけどダメですか……?」

「身内だけの時はいらない、それに俺はお前に自己紹介の時に白夜と言ったが?俺の名前は陛下なんかじゃない」

「白夜……?」

何となくそう呼ばなければいけないような気がした。

元々、王子様という概念もあまりない日本生まれ日本育ちだ。


これから一緒にやっていくのだから、仲いいにこした事はない。


「今から、会議がある。お前の事も報告しなければならない、緊張するだろうが立っているだけでいいからな?余裕があれば笑っていろ」

そして彩のものとは作りの違う手が頭にのせられた。


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