待っていたの
「お姫さま、君が産む子が次の国王だよ……それが君の義務だ」

「わかってる!」

ダンと右足をならす彩、それは悔しい悲しいと、複雑な想いからどうしていいかわからなくなる。


「わかってないはずだけど、シテないでしょ?」

「……だって!それは」

「美姫たちが、手練手管を使っても袖にされる事もあるんだよ」

「だから?」

「だから、今夜の候補を許可して?」

ぺろっと彩の目の前に出された、紙が風に微かに揺れる。



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