待っていたの
「お前の世界とは違う」

遮断するような声が降る、その声も低い。


「そう……ですね」

「そうだ」

何もかも、常識ですら違うこの異世界で彩は何故ここにいるのか、いなくてはならないのかまだわからないままだ。


月妃という称号も、栄達の言を取られる位のものだ。あまりたいしたものだとは思えず、何かを成すにせよ相談しダメだと、彩の意見は聞き届けられない。


それでは何も変わらないではないか。
彩はなんの為にいるのだ。


.
< 205 / 243 >

この作品をシェア

pagetop