待っていたの
「ふーん」

ソファーに寛ぎ座る姿は、王と臣下ではない。


「市場調査に付き合ったみたいだ、いい案内役だったろうな」

だが、どこか嬉しそうに笑みを浮かべながら話す白夜に、栄達も笑みを浮かべる。

「尻にひかれてくれるなよ、かりにも王だからね」

その言葉はゆったりとしており、注意の意を含んでいないように聞こえる。

「……飾り緒を買っていた」

なにを言っているという顔をしたあと、我慢できないように栄達に告げる。



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