待っていたの
「白夜にくれるって?」

「わからんが……」

わからないと貰えなかった時の言い訳のように話すが、白夜は貰えると確信しているような口ぶり。


「よかったね、欲しいものは欲しいって言わなきゃ」

「そうだな」

彩の部屋のドアに視線を向け、一瞬集中する。
うとうとした彩が机に向かい、ぶつぶついいながらデザインをしている所が見えた。

「まあこれは忠告だけど、姫が子を産まないと姫の立場が悪くなるよ?」

王の子を産まなかった、月妃はいない。
偽者だと指摘され、批難されるのは彩だ。



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