待っていたの
「月妃、夜も遅いそんな薄着で出てくるものではない、風邪をひく」

白夜は、自分の服を彩にかけてやる。
彩は俯く、そしてそのまま白夜と目を合わせることなく、部屋へ帰っていく。


それを慌てて追い掛ける護衛たちを見送り、深いため息をつく白夜。


「どうしたんだ……甘い言葉のつもりだったんだが」

甘くはない、風邪をひくと言っただけだ、受け取りようによっては叱責だ。


「わからん、国の方がわかりやすいぞ」



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