待っていたの
「…………。」

(わからない、アレの意味が……ない。私にああやって接する意味は?)

「彩、大丈夫だ――。悩むな迷うな、その姿を臣下に、民に見せるな。そんな月妃を見れば、惑う事になる」

小さな声で告げる、彩への言葉。
白夜は、彩を自分の横に座らせようと必死であるかのように。
彩に人の上に立つものとしての、心構えを解く。


そうして――繋ぐ。
それしか知らない、白夜の言葉は彩の気持ちを揺らす。

迷う、戸惑う、傷つく、そして――。



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