待っていたの
「――道から外れないようにね、これは臣下としての忠告」

一瞬だけいつもの笑みが消え、からかうような声ではなくなる、白夜が栄達を見る前にいつもの彩をいじって遊んでいる栄達に変わった。



「ああ」

その言葉の重みも、責任も理解しないまま――、彩の髪の毛の動くさまを見てクスリと微笑んだ事にすら気付かない白夜は、栄達の変化に気付こうとしなかった。


「水害は、どこから治そうか」

そういつもの様に会話をする栄達に、彩に気を取られる白夜は気付かぬまま。



< 232 / 243 >

この作品をシェア

pagetop