待っていたの
彩に気をとられ、彩しか見ていない白夜には栄達の変化はわからない。



白夜の強い瞳にひとつうなづいて、彩の元へ行く栄達。




「ねえ、なにしてるの?キミはバカなの?」

わざと表情を作って、彩を揺さぶる。


「……、っ」

彩が栄達の声に弾かれたように顔を上げて、泣きそうなおいていかれた女の子のような顔をして栄達を見る。


その様子を射殺しそうな眼で見ている白夜。



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