待っていたの
「はぁ……あのね、もうキミは月妃なんだ。いまさらだよね。そんなカオして見られたらどうするの?」


「…っ、ごめん」

ふっと顔をずらして、縹色の足首まであるドレスが翻る。


髪の毛がふわりと浮いたと思えば、駆け出した背中が小さくなるのを黙って見ているしかない二人の男。
2人が付いているので、わざと護衛を離していたことがアダとなる。



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