待っていたの

言いたい事をいい、何か用事があれば呼んで下さいと自室に下がった彩を見つめる白夜。


眼を閉じ、ソファーに寄り掛かり顔を天井に向ける。

「なにを考えている？」


「わからん、駄々をこねたかと思えば、すべて諦める」

テーブルに足を乗せ、眼を閉じて彩に神経を集中させると、彩は風呂に入るのかクローゼットを開ける音がする。


次いで、シャワーの扉が開き、水音が聞こえる。


リアルに感じ生々しく、段々白夜の頭が痺れる。


その閉じた瞼の裏には、彩が浴びているシャワーシーンを想像している自分に気づく。

「くそ…！」

悪態をつき、足を振り上げガラステーブルが割れる、酷い音をたてて。


一分もたたない内に、彩がバスタオルの上にローブを羽織った姿で、現れ白夜は硬直する。


まだぽたぽたと雫が落ちている髪に、水を弾いた白雪の肌、隠しているが隠しきれない豊かな胸。


「お怪我は…？」



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