待っていたの
そう言いながら、白夜の足元に跪ずく。


下を見れば、髪から伝う一滴が胸元に流れる。


「魔法で片付ける、どけ」

少し乱暴にソファーに座らせ、魔法で片付ける。


「あ……」

(すごいな。魔法…私も頑張れば使えるのかな)


「シャワーの途中で二度と出てくるな!」


「申し訳ありませんでした」

怒鳴る様に声をかけ、その言葉に驚き、謝罪の言葉を残しパタパタと自分の部屋に戻った彩を未練がましく見つめる白夜。


右を見て彩の部屋を見ながらため息をつく。


「はぁ…ガキか俺は…」

肘を付きながら、手に頭を乗せて深いため息をつく。


「女としての自覚はないのか…」



「陛下どうかされたのかしら?水が下につくものね、配慮が足りなかったわ」

絨毯に水滴がつくのを厭たかと思う彩は、男心を分かっていないと言われても、反論の余地はないだろう。

そうは思ってもまた、シャワーに入りベビードールを着る。



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