待っていたの
「陛下、ご起床の時間でございます」

そう声が掛かるのを待っていたかの様に、起き上がりシャワーへ行く。


その間に、メイドがワゴンを持ち朝食を運び入れる。
床を拭いていたメイド服より、少しだけ濃い青色のメイド服だ。


和洋折衷のこの国は、違和感を感じるが電気があり、ガスもある、水洗トイレだ、蛇口を捻ったら温度調節できているお湯が流れ出す。
彩的には、万々歳だろう。

丁寧に頭を下げて退室するメイドに頭を下げると、嫌な笑みを返された。


「え……?」

(あれ…?よく考えてみたら、遊郭より後宮の方が女のバトルあるんじゃ…ないの?)

いまさらながら、思考の端を過ぎったが、そんな事思いたくない。

「そんな…まさかね?」

「何がまさかだ…?」

百面相の彩を見て、少し口許の緩んだ白夜が訊く。


今日も上半身裸だ、パン1じゃないだけ、気を使ってもらってると彩は思う、父と弟はパン1だった。


「あ、御髪はいかがいたしますか?」

鉄の卵型のドライヤーみたいなもので乾かす。


「括ってくれ…」



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