待っていたの

さっきから歩いても歩いても、場所につかない彩達。
さすがに疲れるのだろう、歩き方がテロテロだ、彩は体力がない。


(メイドは同じ位の年齢の人もいたし、お願いすればメイドでいける！)


それに彩の現在の格好も、一応スカートは膝下だ、メイドの様に膨らんではないが、ドット柄のナイトウエアだ。


手は前でしっかり合わせて歩いていた彩が、急に立ち止まった白夜にぶつかる。

「いたっ！！」

「考え事してるからだ、バカ」

「申し訳ありません」


口調が変わった彩を眉をあげて睨むが、彩は頭を下げて謝りその睨みから避けた。


扉に……藍色で書かれた龍の模様、その爪の数は４本その龍の姿を記憶に焼き付ける。


(ここはたぶん、遊郭の元締めかなにかだろうな)


女性の姿も多いので、勝手に結論付けた。


開けさせた扉の中は、真ん中に青系のカーペットに、大きな黒の机に柔らかなゴージャス金ぴかな椅子、左右にはまた部屋がある。


「失礼いたします」

彩はとりあえず、夢でも働かせてもらう場所の白夜の部屋であろう場所に成人した人物として入る。



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