待っていたの
⑦
三歩後ろを歩いて、ついて行けば、栄達に会う。
もう彩はこの人にときめかない、さん付けもやめた。
ただ下を向いていた顔をまた下げて礼をとるだけ。
「姫…白夜、無茶しなかった?」
白夜から彩に移された視線、彩がその問いに答える事はない。
「姫…無視?さみしいなぁ」
少しもさみしそうな声を発していない。
「彩、聞かれたら答えろ」
「はい、陛下」
「へー…ずいぶん従順になったじゃん、あの糞生意気な姫じゃなくなったんだ?」
悪意に満ちた視線、言葉。全身から嫌いだというオーラが放たれている。
「その節は大変申し訳ございません。わたくしもまだ不慣れでして、存じませんでした」
口だけはまわる、あの青嫌いの発言の事を謝る。
ただ口だけで…
今この青を着ている事も嫌で嫌で仕方がない。
「そうだよね、わざとな訳ないよね?」
ニコニコと瞳は笑ってない顔で笑う。
気持ち悪い作り笑いだ。
――こんなものでキャーキャー言って、私に嫉妬するのなら貴女達に譲ってあげる。
メイドさんが頬を染める様子に毒づく。
.
もう彩はこの人にときめかない、さん付けもやめた。
ただ下を向いていた顔をまた下げて礼をとるだけ。
「姫…白夜、無茶しなかった?」
白夜から彩に移された視線、彩がその問いに答える事はない。
「姫…無視?さみしいなぁ」
少しもさみしそうな声を発していない。
「彩、聞かれたら答えろ」
「はい、陛下」
「へー…ずいぶん従順になったじゃん、あの糞生意気な姫じゃなくなったんだ?」
悪意に満ちた視線、言葉。全身から嫌いだというオーラが放たれている。
「その節は大変申し訳ございません。わたくしもまだ不慣れでして、存じませんでした」
口だけはまわる、あの青嫌いの発言の事を謝る。
ただ口だけで…
今この青を着ている事も嫌で嫌で仕方がない。
「そうだよね、わざとな訳ないよね?」
ニコニコと瞳は笑ってない顔で笑う。
気持ち悪い作り笑いだ。
――こんなものでキャーキャー言って、私に嫉妬するのなら貴女達に譲ってあげる。
メイドさんが頬を染める様子に毒づく。
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