待っていたの
「池の工事が先でしょう、雨が降り溢れたら災害となり、家や植物も失われます。橋があれば便利ですが、少しだけ我慢していただきましょう」

橋がなくても命にかかわる事はない。


「へー…、馬鹿だ馬鹿だと思ってたけど、そこまで馬鹿じゃないんだ?」

「…………」


「賢い姫じゃ、流石じゃて」

「これでお子も安心じゃ」

「沢山産んでくだされ、姫が辛うなったら、うちの娘もおりますし…」

そう言う一人の官吏。
すると次々、孫娘や娘の話しに花を咲かす。


というより、陛下の後宮に入れたいのか。


「姫の許可があれば、ぜひ姫と一緒にもり立てる妃を我が娘に…」

(やはり権力争いか…、陛下の後宮は。はやく誰か新しい人を見つけて、その人に興味持ってくれないかな?)


「うるさい、後宮は彩だけでいい」

「ラブラブですからの…」

のんきな曹宰相の声が聞こえる。


「わたくしは陛下が決めた事に否はございませんが、不慣れなわたくしを支えて下さる方が欲しいです」



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