待っていたの
彩はソファーに座り、これから面接かと緊張していた。


白夜が対面に座った時に、また扉が開く。


髭が素敵な、杖をついた老人がゆっくりと入室してくる。

もうひとりはまだ20代後半の、蜂蜜色のサラサラの髪の毛の美人という形容詞が似合う男性。


普通の夢は、この人が王子様で、ラブラブで幸せに暮らしましたなのだが、それでは済まなそうだ。

――私は…。


扉が開いた2秒後、彩が立ち上がりお辞儀をして、自己紹介する。


その自己紹介に目を丸くしていたが、老人が先に挨拶をする。


「曹 楽進 と申します」

―そう がくしん

老人の名前だ。

(白夜のおじいちゃん?)


「私は、陸 栄達と申します、これからよろしくお願いいたします」

―りく えいたつ

朗らかに優しく微笑む、
陸さんにポーッと見とれる。

(カッコイイ、王子様だよ)

栄達が言ったこれからの言葉の意味も、何も頭には入ってこず暢気に王子様だ。と頬を染めてみていた。



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