待っていたの
また…陛下の許可。


大奥は女の牢獄なら、後宮はオンナの鳥かご。


昔の女の人はこれでよかったのか?


戦利品になったり、道具だったり。
子を産めなかったら、用無し扱い。

内宮にある、小さめの部屋に入る。
ここが勉強するスペースらしい。


左右を本に囲まれた部屋。

玻璃の入った窓がら見える外をぼーっと眺める。


次第にそれも飽きて、本を手にとり読み耽る。


「これはこれは、姫君の方が早かったとは、失礼いたしました」

曹宰相だ。
何人か付き従えて、ここに入ってくる。


「とんでもない。偉いのは陛下です、わたくしなど陛下の道具にもなりえない役立たずですから」

特に憂う訳でもなく、彩はただ事実のように述べたが、宰相の後ろにいた少女と男の子はびっくりしたように、伏せた顔をあげた。


「姫様の御前で許しもなく頭をあげるのですか?」

護衛の鋭利な女性の声が聞こえ、男の子も女の子また顔を下に向けてしまった。


「あなたこそ、私の話しを聞いていた?偉いのは陛下であり、官吏の皆様よ。私は何も持たない、小娘」



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