待っていたの
最低だ――。


彩が偉い訳でも、努力してこの地位にいる訳ではないのに。


「私…最低」

「嬢ちゃん…?」

「私何ができるのかな…?陛下の次に偉いんだって、何もしてないのに」

「でも、俺達の所に来てくれた、誰も来ない俺達の所に」

「なんか、異世界から来ただけで、第一妃なんて笑っちゃう……」

「掃除してくれんだろ…?」

「俺達の為になんかしてくれて、泣いてくれるのは嬢ちゃんだけだ」

「自分が愚かで醜くて泣いてるの」

また自己嫌悪だ。


「いっぱい悩んで大きくなれ、身体はいいが…身長を伸ばせ!」

顔を乱暴に拭い、掃除を始める。


石畳で、デコボコして歩きにくく掃除もしにくい。


上からしたいが、どうやっても届かない。


すると、脚立を看守さんが持って来てくれた。


「ありがとうございます」

首をフルフル振り、残りの二人の看守は、各々はたきを持って、手伝う意志を示してくれる。



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