待っていたの
「姫、牢屋に行ってたみたいだけど、今度は囚人と浮気…?」

「浮ついた気持ちも何も…本気がないので浮気はありようがないんじゃない?」

「お前がどう思おうと、お前は俺の妻だ、王妃の浮気は死罪だ」

一夫多妻制の考えと、法律に嫌気がさす。
死刑か、それは繁栄をもたらす道具としてもそうなのか。

「左様でございますか」

特に慌ても驚きもしない。

「それより、激しく汚いね、牢屋で何したの…クスクス」

下品な笑みを浮かべからかう。
怒りが強いが、ここは我慢だ。


「掃除をしました」

「掃除だと……?」

「はい、病のもとですから」

「病のもとねぇ?」

「不潔なのは病気になりますよ、流行り病も……」

「多くは牢獄からだったな…」

「王都を見てみたいのですが可能でしょうか?」

「結婚パレードでまわるよ、それまで我慢してね姫」

わざとらしく、見下して姫と呼ぶ栄達に苛立つ彩。


私を無理矢理抱いたのは陛下でも、栄達が唆した様に感じるから不思議だ。


「わがままは慎みますよ、ご忠告痛み入ります」



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