待っていたの
②
「月妃とは…?」
ひんやりとした、贅を凝らした廟の中に入ると、ほてった身体が急に冷え冷静になる。
そして誰も付いて来ないこの状況に違和感を覚える。
「王と婚姻を結んだ、異世界の娘の尊称だ」
「陛下が太陽で、妃は月ですか…大層なものですね」
「そうだな…だが民を従える為には…必要だ」
「そういうものですか……」
彩は従わないならそれでいいと感じる、一応民主主義育ちで、命令される事はほぼないのだから。
「どうした?もう笑わないのか」
「もう誰も居ません、幸せなふりをする必要がないです」
「そうか…」
髪にささる、青薔薇を見ながら、悲しそうな顔をする白夜に気づくはずもなく、両端に花びらが敷き詰められている、南国リゾート風の回廊を歩む。
「これから、一日この廟から出られぬ、いいな?」
「はい、かしこまりました陛下」
それから彩は、さっさと表にある民が参拝する為の礼拝堂に行ってしまう。
ゆっくり追いかけるが、彩はことごとく白夜はいないというスタンスをとる。
.
ひんやりとした、贅を凝らした廟の中に入ると、ほてった身体が急に冷え冷静になる。
そして誰も付いて来ないこの状況に違和感を覚える。
「王と婚姻を結んだ、異世界の娘の尊称だ」
「陛下が太陽で、妃は月ですか…大層なものですね」
「そうだな…だが民を従える為には…必要だ」
「そういうものですか……」
彩は従わないならそれでいいと感じる、一応民主主義育ちで、命令される事はほぼないのだから。
「どうした?もう笑わないのか」
「もう誰も居ません、幸せなふりをする必要がないです」
「そうか…」
髪にささる、青薔薇を見ながら、悲しそうな顔をする白夜に気づくはずもなく、両端に花びらが敷き詰められている、南国リゾート風の回廊を歩む。
「これから、一日この廟から出られぬ、いいな?」
「はい、かしこまりました陛下」
それから彩は、さっさと表にある民が参拝する為の礼拝堂に行ってしまう。
ゆっくり追いかけるが、彩はことごとく白夜はいないというスタンスをとる。
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