待っていたの
「つ…脱いでからでいいですか?」

顔を真っ赤にしてから、陛下に問う。


「ああ…」

指をパチンと鳴らす、その音にビクリと反応すれば、真っ青のノースリーブドレスになっている。


「ありがとうございます」

「構わんが…彩、帰りたいか…?」

「当たり前です!」

そう間髪入れずに答える彩の、言葉に悲しくなる心など王にはいらない。


「だが…無理だ……、この世界で楽しみをみつけて貰うしかない」

「それは今までの異世界の娘が帰れなかったからですか…?」

「そうだ、歴史にも書いていない」

「語られない歴史は沢山あると思いませんか?勝てば官軍負ければ賊軍と言われるように」

「興味深い話しだが、実際の所はいざこざがあるが、他国ともども国の領地が変わる事はない」

「戦争はあるのでしょう?三軍と中央軍つまり私が責任者の後宮軍がありますから…」

よく勉強していると思う白夜。
正直、もっと駄々をこねるかと思った。


「あるな、覇権争いは昔からある」



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