ボクノハヘン、キミノカケラ
着いたのは小洒落たレストランだった。

あたしみたいな学生がちょっと入り難そうなオシャレなトコ。
でもそこまで高級そうではない。

いわゆるシキイが高くないってヤツ。


「ここでいい?」


この人は必要最低限の言葉しか喋らないみたいだった。


「うん、いいよ。」


レストランの前にはメニューと食品サンプル。

美味しそうなスペアリブとアイスクリームが乗ったアップルパイだった。


「おいしそー!」


あたしがそれを眺めてると、彼は何を言うでもなくすっと横に来る。


「好きなもの頼んでいいから。」


そう言ってさっさと中に入っていく。
あたしもすぐに追いかけた。

たいして広くも無い店内。

でも流行の店って言うか、人気がありそうな落ち着いた内装だった。


ってかちゃんと予約なんてしてるし。
案外ジェントルマンじゃん。



座ってメニューを見れば、ちょっとばかり値が張るモノばっかり。

あたしに払えないことは無いけどちょっとキツいって感じ。
まぁ今日はこの人が払うんだけど。
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