ボクノハヘン、キミノカケラ
帰りに車に乗る前に言われた。


「家まで送るから。
今日はこれだけでいいよ。」


それが何を意味してるのかすぐにわかった。

出会い系サイトで知り合って、何もされずに帰るなんて前代未聞じゃない?
ってかあんたはそれでいいの!?

ソータが車に乗ったからあたしも慌てて乗った。


「ちょっと待って!ご飯もおごってもらったし、食い逃げみたいじゃん!
ソータはそれでいいの!?」


「食い逃げって・・・。」


ソータはちょっとだけ笑った。


「だって・・・体目的で来たんじゃないの?
あたしに会いたい理由なんてそれぐらいしかないじゃん。」


シートに体を埋めて言った。










“なんで来てくれたの?”


それはこっちのセリフだっての。



「来てくれただけで嬉しかった。それで充分だから。
もしリツカがそういうことしたいならするけど、もししたくないならいい。」


「ソータがそれでいいなら、いいけど・・・。」


「じゃあ送るよ。」




「ねぇ。」



「ん?」





「ソータはなんで来てくれたの?」






単なるおうむ返しになった。


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