ボクノハヘン、キミノカケラ
今日は屋上で暇つぶし。

校庭でどっかのクラスが授業やってる。
あれ、一年かなぁ。


またケータイを見た。

開くのはあのメール。
平凡サラリーマンさんからの、くっさいセリフが綴られたメール。



“同じ時間を過ごしてみたいんです”



明らかに騙そうとしてるよねー、こんなメール。

だって出会い系だよ!?
そんなんでこんな真面目くさったメール送ってくる?

しかもソッコー会いたいとか言ってきて。


でも、嫌な気はしないんだよね。

ずっと敬語だし、そこらへんのオヤヂみたいな胡散臭さも無くて。



屋上の端っこまで行って空を見た。


今、あたしがここで飛び降りたら、誰か気付くかな?
きっと誰も気付かないんじゃない?


だったら何も捨てるものなんて無い気がした。



だって、あたし何も持ってないもん。



最悪なことがあったら、お父さんとお母さんは悲しませちゃうかもな。

でも、もういい。



あたしはケータイの送信ボタンを押した。















『いいよ。いつ会う?』






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