七狐幻想奇譚
さっきすれ違った少年ではなく、見知らぬまた別の少年。狐面を被って、畦道(あぜみち)に立っている。



桃花が戸惑っていると、不思議な雰囲気を纏う少年は淡々と言った。







「やっぱり来たね」

「……誰のこと?」

「ぜんぜん変わらない」

「…………」

「覚悟、したのかな」



鮮やかな狐火が少年の周りを舞う。



桃花の質問には答えず喋り続けた。それは不思議な光景で、同時に奇妙な光景だった。



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