七狐幻想奇譚
静輝のくれたペットボトルを頬に当ててみる。ひんやりとして気持ちいい。動揺した心を落ち着かせるためには、丁度いいのかもしれない。




清潔感漂う白い部屋、薬品の匂い。



落ち着く空間。



「お祭りか……」



桃花の口から思わずため息が零れる。なぜかわからないが、“祭り”と聞く度、言い様のない不安に襲われる。


まるで、揺らぐ蝋燭の灯火のように。



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