七狐幻想奇譚
そんなの、今時子供だってちゃんと知っている。



クリスマスだって、いい子にしてたらサンタさんが来てくれるなんて言うけど、一度も来てくれなかった。



河童やつちのこを夢という甘い言葉で包み込んで、追いかける大人。そんなものは結局幻想でしかない。



ずっとそう信じ込んできたのに。幻想は、確かに存在していた。




人の生きる世界の片隅に、ひっそりと根づいていた。






遭ってはいけなかった。






視つけてはいけなかったのに。






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