七狐幻想奇譚
青白い炎が手の平から、ぼっと灯る。
これが手品であれば種があるのだろうが、狐面の少年がそうであるのは、現実的に考えにくい。それに――夏野の言動が、真実味をおびているではないか。
“狐面の少年は人間じゃない”
本音を言えば怖い。でも、夏野が守ってくれる。それが唯一の、安心感だった。
でも何か引っ掛かる――……
次の瞬間、酷い頭痛に襲われ冷たい土の上に崩れ落ちた。
「桃花!!!」
どうして、名前……。
「桃花、大丈夫か!?」
桃花はズキズキ痛む頭を押さえながら、しゃがみ込み焦ったように、名前を呼ぶ夏野に驚く。
どうして……そんなに心配してくれるの?
動揺する夏野に、大丈夫だと言いたくても痛みで、言葉にならない。
「一種の呪いだよ。思い出せないように、はじめからなってる。――ねえ夏野。もっと、遊ぼう?ようやく巡ってきた夏なんだから」
「…………冗談いえ。今年の夏で、終わらせるに決まってるだろ」
夏野は心の中で舌打ちをした。
この状況を打開する手段など、今は持ち合わせていない。絶体絶命とまではいかないが、さすがにまずい。
そんな時だった。
これが手品であれば種があるのだろうが、狐面の少年がそうであるのは、現実的に考えにくい。それに――夏野の言動が、真実味をおびているではないか。
“狐面の少年は人間じゃない”
本音を言えば怖い。でも、夏野が守ってくれる。それが唯一の、安心感だった。
でも何か引っ掛かる――……
次の瞬間、酷い頭痛に襲われ冷たい土の上に崩れ落ちた。
「桃花!!!」
どうして、名前……。
「桃花、大丈夫か!?」
桃花はズキズキ痛む頭を押さえながら、しゃがみ込み焦ったように、名前を呼ぶ夏野に驚く。
どうして……そんなに心配してくれるの?
動揺する夏野に、大丈夫だと言いたくても痛みで、言葉にならない。
「一種の呪いだよ。思い出せないように、はじめからなってる。――ねえ夏野。もっと、遊ぼう?ようやく巡ってきた夏なんだから」
「…………冗談いえ。今年の夏で、終わらせるに決まってるだろ」
夏野は心の中で舌打ちをした。
この状況を打開する手段など、今は持ち合わせていない。絶体絶命とまではいかないが、さすがにまずい。
そんな時だった。