ブルービースト
――…だから何で会話が出来るんだ。
ユノはそう思いながらも他の人らを気にしない一人と一匹を見守る。
「ブロード、そろそろ朝飯だぜ?」
本当に部屋に帰ろうとしたブロードにレイツが声をかけた。
立ち上がったブロードは右目を擦りながらそちらに目を向ける。
「あー…、いいや。スルメ食べたし。ランさんに言っといて」
「…朝飯スルメかよ。まぁ、わかった」
「あ、でもなんか果物ほしいな。切らないで丸ごと」
「わがままだな~…」
苦笑しながらもレイツは頷いて了承した。
それに対し礼のかわりににっこり笑うと、ポチを抱いてリビングを去る隊長さま。
「…今のリシアさんがいたらめちゃくちゃ騒いでましたね」
やっとくしゃみが治まってきたクリスが、これまた苦笑しながら呟いた。
確かに今この場に彼女がいたら、「きゃああああ~!写真撮りたかった~っ」とか言って暴れまくるだろう。
それを想像したシエラは楽しそうにクスクス笑っていた。
何でそこで笑いなんだとユノはげんなりしたが。