ブルービースト
* * *
美味しいご飯を食べ終わり、時間的にもう仕事も終わりなのでユノは自室へ。
(疲れた。半端なく疲れた)
それもこれもあの蒼い野郎のせいだと心の中で奴を呪う。
翌日ブロードが自室で寒気を感じたとか騒ぐことになるのは、たぶんこれのせい。
「あ、ユノちゃ~ん待って!一緒に戻ろうぜぇ」
「…レイツさん」
どうぞご勝手に、という超素っ気ない返事のユノ。
しかしレイツは嬉しそうな笑みを見せ、そのまま同行することにした。
いっこうに喋る気配のないユノを見かねて、レイツは自分から話をふる。
「そういえばもうユノちゃんが来て三週間だなぁ!どうよこの部隊は」
「どうって…疲れますね」
そんなユノの回答にレイツは大爆笑した。
廊下に馬鹿デカイ笑い声が響いて正直うざい。
「だろうな、そりゃブロードの補佐なんてモン疲れるわ」
「代わってくれたら凄く嬉しいです」
「いやそれは無理かな」
……チッ。
「……あれ?今なんかすんごい怖いのが聞こえた!舌打ち?舌打ちしたよね??」
「気のせいですよ」
「気のせいとか言いながらあからさまに短剣取り出さないでよユノちゃん」
その直後、また舌打ちの幻聴が聞こえたレイツは慌ててユノの機嫌を直すべく奮闘した。