ブルービースト

やっと短剣と機嫌を直したユノを確認し、レイツはホッと息をつく。


ユノはバレバレなそれを完全に無視した。



レイツは腕を組み何か考えるとしばらくしてから口を開く。



「…ブロードの相手ならリシアが一番かもなぁ」


「リシアちゃん?」


「うん。あいつブロード大好きだからさぁ」


「……あぁ」



この三週間、補佐なので結構ブロードの傍にいたユノ。


そんな彼女はブロードにくっ付くリシアとも結構な時間を共に過ごしていた。



何故かは知らないがリシアはブロードが大好きで大好きでたまらないらしい。


ブロードは軽く受け流しているが。




「やっぱ三週間いたらそういうことわかってきたか」


「はい、多少なり」



苦笑しながら言うレイツが極度のシスコンだということも、もちろんもう知っている。


シエラも何気に超ブラコンで、レイツの前でだけは自分を『シエラ』と呼ぶのだ。



そんな感じに色々わかってきたユノにとってまだいまいち謎なのは、クリスのことと一番一緒にいる筈のブロードのこと。






< 12 / 309 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop