ブルービースト
「…お疲れ。生きてて、よかった。行こう、怪我してるし医療テントに連れてってあげる」


「隊長ぉ…」


「…泣きたかったら思う存分泣きなよ。その方がすっきりする」


「ふぇ…」



ボロボロ溢れる涙をそのままに、リシアは差し出されたブロードの手を握った。


ぐいと引っ張って彼女を立たせたブロードは、ポンポン頭を叩き宥めてやる。




「ほら、行くよ。リシアちゃん」


「ひっく、っ、ぐす、…は、はい」


「………間に合わなくて、ごめんね」



謝ったブロードにリシアはブンブン頭を振った。


苦笑した青年は少女の手を引き歩き出す。








リシアはわんわん泣きわめきながら、隊長についていくことしか出来なかった。












それがちょうど、三年前の話。












< 135 / 309 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop