ブルービースト

そんなユノの静かな柔らかい笑顔に、リシアはえへへと照れ笑いした。



「何かこうゆうの親友って感じで嬉しいですっ」


「…ふふ、そうかもね」


クスクス笑う二人。


きっとレイツがこれを目にしたら何事だと真っ青になるだろう。



しかしユノからすればこんなことはもう何年もなかったのだ。


変わってきている自分に気付いているのかいないのか、それでも彼女は少しずつ笑うようになっていた。




「あっ、そうだっ!」



談笑している最中、不意にリシアが大声をあげる。


面食らったユノはぱちくり瞬きして、立ち上がった彼女を見上げた。




「ユノさん!ハイリアのお墓に行きましょう!」


「え?さっき行ったんじゃ…」


「ハイリアにユノさんを紹介したいんです!」



ぐいぐい腕を引っ張るリシアに驚きながらもユノは腰を浮かす。


そしてその発言にもビックリしていた。




「そ、そんな…いいの?」


「はいっ、あたしがそうしたいんですぅ」


「……じゃあ…、うん、行く」



どうせブロードも帰ってきていないし。


果たして自分が行っていいのかわからなかったが、リシアに背中を押されユノは結局そこへ向かうことにしたのだった。





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