ブルービースト
「……うん。王様と話してた」
一回俯いたブロードは、次には笑顔で顔を上げ言葉を発した。
ユノはピクリと眉を潜める。
キィル=ルヴァイテ。
軍の中で名を知らぬ者はいないだろうと言われる、孤高の軍人として有名な男性。
彼は軍の統帥とする国王の次に地位の高い、元帥の肩書きを持っている。
そんな上司にタメ口。
──…アサギにすら敬語を使っているのに、おかしい。
「さっきな、お前の家族の話をしていたんだ」
「ほう?私の??」
「奥さんの料理が絶品だとな。ブロード君もお前の家族はあったかい、と言っておったよ」
「それは…嬉しい限りですね」
目を細め笑ったキィル元帥。
彼は背中で一つにくくった草色の髪を揺らし、ブロードの前に歩み寄った。
ポチが警戒するのも無視し、蒼い頭に手を乗せる。
「…お前もその家族の一員なんだから。遠慮はせずに何でも言いなさい」
「……………うん」
「よし。じゃあ国王、行きますよ。待ちくたびれました」
「苦ではありませんと言ったのは誰だったかな?」
国王はもう少し話したそうだったが、結局車椅子を元帥に押されしぶしぶ帰っていった。
また話そうなブロード君、と柔らかい笑みを残すのを忘れず。
一回俯いたブロードは、次には笑顔で顔を上げ言葉を発した。
ユノはピクリと眉を潜める。
キィル=ルヴァイテ。
軍の中で名を知らぬ者はいないだろうと言われる、孤高の軍人として有名な男性。
彼は軍の統帥とする国王の次に地位の高い、元帥の肩書きを持っている。
そんな上司にタメ口。
──…アサギにすら敬語を使っているのに、おかしい。
「さっきな、お前の家族の話をしていたんだ」
「ほう?私の??」
「奥さんの料理が絶品だとな。ブロード君もお前の家族はあったかい、と言っておったよ」
「それは…嬉しい限りですね」
目を細め笑ったキィル元帥。
彼は背中で一つにくくった草色の髪を揺らし、ブロードの前に歩み寄った。
ポチが警戒するのも無視し、蒼い頭に手を乗せる。
「…お前もその家族の一員なんだから。遠慮はせずに何でも言いなさい」
「……………うん」
「よし。じゃあ国王、行きますよ。待ちくたびれました」
「苦ではありませんと言ったのは誰だったかな?」
国王はもう少し話したそうだったが、結局車椅子を元帥に押されしぶしぶ帰っていった。
また話そうなブロード君、と柔らかい笑みを残すのを忘れず。