ブルービースト

それから三人はしばらく、国王と元帥が去っていった墓地の出入口を見つめていた。


ブロードは送ると着いていったが、大丈夫だからと言われ途中の道でポチと一緒に立ち止まっている。



その背中に言い様のないものを感じたユノは、無意識に握りこぶしを作っていた。




「………ブロードさん」



堪らなくなって声をかける。


するとまずポチが振り向き、それからブロードがこちらを向いた。



──…あの、へらへらした笑みで。



夕陽に照らされたそれに、ユノは少し恐怖さえも感じた。




「ん?なに、ユノ??」


「…あ、その…出掛けてたのって…」


「ハイリアのお墓参りだったんですかぁ?」



どもるユノに助け船。


リシアが首を傾げ訊ね、彼に駆け寄った。


腕をとってくっつく相変わらず積極的な彼女に驚きつつ、ユノも彼に歩み寄る。


中将はそんな隊員二人に笑顔を向けながら、空を見上げ思い出すような仕草をした。


それから足元に擦り寄るポチを抱き上げ、口を開いて話し出す。



「うーん、それもあったけど、他の用事もしてたかな」


「仕事ですかぁ?」


「んーん、違うよ」





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