ブルービースト
とにかく何とかならないか。
そう思案したユノは、持っていたハンカチを差し出しリシアの肩を叩いた。
一応、慰めているつもり。
「お、落ち着いてリシアちゃん。ここハイリアさんのお墓の前…」
「うあぁあん、ハイリアごめんね!浮気性でごめんっあたしのせいでごめんんん~!」
「……………………。」
火に油を注いでしまったらしい。
更に激しくさせてしまった。
ユノは諦めて思う存分泣かせることにする。
「あ、あたしっ、ふぇ、」
「うん、」
「ほんとに二人とも…好き、なんですぅっ」
「………うん」
「でもブロードさんあたし見てくれなくてっ、そんなの、はじめてでっ…」
「……………………。」
…ちょっとイラッとしたのは気のせいだろうか。
思わず顔に出そうになったユノは、一瞬感じた感情を奥底に沈めて今は封印した。
この女、自分より年下なのに何とも恐ろしいことを言う。
「くっつけば振り向いてくれるかなッて、思ってたけどっ…」
「あー…」
いつもブロードはリシアのアピールを綺麗に流していた。
それはもう流しそうめんのごとく。
彼は恋愛事に興味がないのだろうか。