ブルービースト
ーⅠー
『ブロードさん!』
『あ、ユノ』
『またあんたは…!今日こそ言ってもらいますよ!どこ行くんですか!?』
『どこって…まぁね』
『答えになってないっつってんだろクソ上司ぃいいい!!』
「はっ!」
ぱっちり。
目を覚ましたユノは、ベッドの上で乱れた息のまま天井を見上げた。
だんだんはっきりしてきた頭で、やっと理解する。
──…今のは夢だ。
といっても、ここ毎日あの光景は見ているが。
「最悪…夢にまであれが出てくるなんて…」
絶対あいつのせいだ。
あいつが毎日毎日、行き先も言わずに果物だけ持ってポチを連れて出掛けるから。
要するにサボっているわけで、仕事も溜まっている。
「……今日こそとっちめてやる」
深く決意したユノは、シャワーを浴びに行く。
廊下を歩くその背後からは、どす黒いオーラが滲み出ていた。