ブルービースト
「……………………。」


すぅすぅと寝息をたてる二匹(一人+一匹)。


ユノは目を擦る、がやっぱり見間違いなどではない。


しかも蒼の下敷きになっているのは急ぎの書類だ。


ユノはまた夢を見ているのか、と頬をつねったがやっぱり普通に痛かった。




「………天変地異?」



ぽそりと呟いたユノ。


その言葉にピクリ、とポチが反応した。


さすが犬、耳がいい。



しかし起きることはなく、また寝息をたてはじめたのでユノは溜め息をついた。



とりあえず起きてもらおう。



「ブロードさん」


ポチを起こさないようにすっと歩み寄って彼の右肩を揺らす。


恨みがこもって少し力が強くなったのか、上司は呻くともそりと動いた。


そしてユノの目論み通り、そこでポチが気付いて起き上がる。



「きゅん」


「おはようポチ」


挨拶しながらもブロードを揺らし続けるユノ。


あんまりにも起きないのでだんだん激しくなっている。



「……ううーざーいいぃ…」


「うざいのはアンタです早く起きてください」


「んん…あれ、朝?また寝ちゃった…?」






< 156 / 309 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop