ブルービースト


ゴッ!!




「あだっ」


「手だけ?それはあれですか私はペチャパイの寸胴だと言いたいんですか」


「だ、誰もそんなこと…」



銃の柄で頭を殴られたブロード。

そこをさすりながら、彼は涙目でレイツに助けを求めた。


もちろん拗ねている副隊長はそんなもの無視する。


この野郎、と心の中で舌打ちしながらも、しゃがみこんでいたブロードは痛みに涙目になりながらユノを見上げた。



「うう…ご、ごめんユノ、そんなつもり…じゃ…、」



が、謝罪の言葉は尻すぼみとなり消えていく。

中将はぱちくりと瞬きしながら、目の前の補佐にぽかんと口を開けアホ面をさらした。



「ユノ?」


「………っ」


「え、え、顔真っ赤だけど!大丈夫なのお前」


「へ、ヘーキです」



頑張ってそれだけ言うユノ。

顔がカッカカッカと熱くなって、まともにブロードを見れない。




(何これ何これっ)


パッとブロードとは真逆の方向を向いたユノは、耳まで真っ赤。

振り向いた先には固まっているレイツがいて、ユノは驚いて自分も石と化した。



それからハッとしたかと思うと、銃を引っ付かんで「遠征の準備してきます!」とやけに大きな声で叫んで去っていく。


ドアはバタンどころか破壊音をたててミシリと呻いた。






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