ブルービースト
「おいおい、危ねぇなぁ。しっかりしろよ隊長!」
咄嗟にブロードの腕を掴んだレイツが、そう言いながら彼を助け起こした。
ざまあみろ、という何とも恩知らずな顔をしているユノをブロードは睨む。
「ユノのせいだ、馬鹿やろ!」
「私は野郎じゃないです。不注意な貴方が悪いんですよ」
「違うね、今のは絶対お前のせいだっ」
「ほらほら、喧嘩しねぇの!何だよ俺オカンかよ嫌になってきた」
嘆く少将に睨み合う上司と補佐。
ブロードがユノに言い返すなど珍しい、いつもなら脅されるかビビって終わりなのに。
そうしているうちに野宿の場所まで辿り着き、言い合いしていたブロードとユノはお互い黙り込んだ。
すると、やっぱりというか何と言うかやって来るクライド。
「ユノさん!どこ行ってたんですかっ」
「え、あ、いえ、別に…」
「心配しましたよー、もう」
そう言ってぴとりとユノにくっつく彼。
迷惑極まりないユノはしかめっ面して彼から逃げた。
しかしやっぱり来る。
「鬱陶しいです!来ないでったら」
「何でですか!」
「アンタなんか眼中にないです」
「そんなこと言わずに!」