ブルービースト
結局何を言ってもくっつくクライド。
ユノの中でブロードを通り抜け鬱陶しい奴No.1となった彼は、あり得ない程のポジティブさでユノに受け答えすると彼女の頬にキスをした。
ぞわわ、と鳥肌を立てるユノ。
「な、何するんですか変態!」
「真っ赤になっちゃってかわいー」
「どう見ても真っ青だけどな」
見かねたレイツが呆れ混じりに言う。
女慣れしているのか、「いつもならこれで落ちるのに」なんて言ってるクライドはかなり痛い視線を感じ反射的に振り返った。
そこには、明らかに不機嫌なブロード。
「…何ですか中将」
「お前何してるの」
「何って…頬っぺちゅーです」
「班内の規律乱さないでくんない?」
「いつも乱してる貴方に言われたくないですよ」
バチバチバチ。
そんな効果音が聞こえそうな程の睨み合い。
クライドはむっと顔をしかめると、放心しているユノを抱き寄せた。
「戦闘に出して貰えない奴が口出しするな!」
「!」
「ちょっとクライド」
ピクリと眉を吊り上げたブロードと、騒ぎで目を覚ましたのか注意するセリナ。
ユノは無言で変態を殴り付けるとブロードの隣に避難した。
そろりと彼を見上げ、謝罪をする。