ブルービースト

「…あの、私のせいですみません」


「…ユノは悪くないよ」



そう言いながらも明らかにイライラしているブロード。


あまり見ないその様子に、ユノは怖じ気付くのと同時に少し心配になった。



なんだかいつもより、彼の気が立っている気がする。




「あの、ブロードさん」


「…なに、ユノ?」


「やっぱりどこか悪いんじゃ…」


「へ?」



ぱちくりと瞬きし、ブロードは改めてユノを見た。


心配そうな表情の彼女。



度肝を抜かれた中将は、何だか優しくなった補佐に内心冷や汗を流す。



(こんな子だったっけ!普段もっと鬼じゃなかったっけ!?)


言っておくが普段鬼なのは、自身の態度が悪いせいである。




「だ、大丈夫だよ。何で?」


「いえ…」


「?」


「大丈夫ならいいです」



イライラしてるから、なんて曖昧な理由笑われるのがオチかな、とユノは黙っておいた。



やっぱりそんな感じなのかとブロードとユノを見るレイツ、すっかり蚊帳の外となったクライド。


いつの間にか寝ていたアサギも含めそんな男性陣を放置し、再び寝たらしいセリナに倣いユノもさっさと寝ることにした。






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