ブルービースト
「お前もな、ユノちゃんにちょっかい出すなよ」
「そんなこと言われても…好きなんです」
「……本気か?」
半信半疑で問えば、クライドは真剣に頷いた。
まじかよ、とややこしくなりそうな展開にレイツは溜め息をつく。
「何言われても引きませんよ」
「……………………。」
「ユノさんは、他の女と違って俺の中身を見てくれる」
「…顔がいいからこその悩みだな」
この野郎、と心の中で毒づく。
そうしながらも、レイツは少しクライドを不憫に思った。
確かに彼は顔がいい。
それ故にモテるだろうが、理由をわかっているからこそ虚しくなる。
贅沢な悩みだが、クライドはそれを気にしているらしかった。
「強くてかっこいい、女性が好きなんです」
「…そうか」
「わかるでしょう?レイツさんも」
問いかける視線に、レイツは苦笑した。
バレた?と聞き返せば、頷く第二部隊副隊長。
「頑張ってください」
「…望み薄いけどな」
「本人の望みも薄いんですから。まぁ俺はブロードさんとくっついてくれたら嬉しいんですけど」
「おい」