ブルービースト

「ここに敵が来たらすぐに呼んでくださいね」


決してクライドには向けられないであろうその笑みに、中将はきょとんとした。


しかししばらくして馬鹿にされていると気付き、すぐにユノを睨む。



「それくらい倒せる!」


「不意打ちされるかもしれないし寝てたら駄目ですよ」


「寝ない!馬鹿かっおかんかお前っ」


「……馬鹿?」


「すすすすみません」



相変わらずなこの二人の会話。


それにももう慣れた他のメンバーは、苦笑いすると外を覗いた。


クライドだけは不貞腐れて羨ましそうにしていたが。





「そろそろですね」



ラルフが目を細め遠くを見ながら言う。


作戦では何班かのメンバーがバレないようこっそり潜入し、その後から残りが奇襲をかけ一気に攻めいる予定になっていた。

潜入メンバーは戦闘の最中に相手の砲撃台などを奪い取る任務もある。


もちろんアサギやレイツがそんな頭を使うことを出来る筈もなく、第一班と第二班は奇襲をしかけ大暴れする方に専念することとなった。




…それでよかったと、ユノは思う。


自分たちが潜入メンバーだったら、潜入する時点で失態を犯しそうだ。





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