ブルービースト

* * *


「潜入メンバーは何してんだ!」



──…奇襲をしかけて、早一時間。



状況がよくないのか、先陣切って暴れるアサギは刀を振り回しながら怒鳴った。


予定ではもう砲撃台も相手側の司令官のいる建物も落ちている筈。


それなのにそんな様子はない上に、砲撃も飛んでくる始末。



「おいおい…やばいんじゃねぇの!?」



後ろからクライドの声が聞こえる。


彼も周りの仲間も、かなりの数の敵に囲まれていた。


レイツが大多数を倒しているものの、何分数が多すぎる。


予想外の敵の数に、アサギは舌打ちした。



「しょーがねぇな…、おい、ユノちゃん!」


「はい」


案外近くにいたユノが、さっと傍に現れる。


そうしながらも、銃を何丁も代わる代わる持ち替え向かい来る敵に対応していた。



「アサギさん、第三の二人がいません」


「構ってられるか。ブロードを呼びに行くぞ」


「はい…、え?」



恐い顔でひたすら敵を吹っ飛ばす大将を、ユノは思わず振り返った。


しかし余所見するなとレイツに怒鳴られ、すぐ前に目を向ける。





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