ブルービースト

「ブロードさんはユノさんのことどう思ってるんですかね」


「……………………。」



…今の話を聞いて次の発言がそれか。



アサギはちょっと頬をひきつらせながらも何とか押さえ込み、さあなと返してやった。


こいつは色恋ごとにしか興味がないのか。



「他の女とは対応がちょっと違うと思うんです」


「あー、それはまぁ…」


「何か知ってるんですか?」



濁した大将にさっそく食い付くクライド。


アサギは苦笑いし、ちょっとな、と答えた。



「ちょっとって何ですか?」


「んー…、ユノちゃんの父さんを知ってるからだと思うぜ」



多分言わなかったら一生離してくれないだろう、と諦めたアサギはこれくらいならと話してやった。


ぱちくり瞬きしたクライドは、ユノを見てぽつりと呟く。



「お父様?」


「おう」


「俺の将来の義父様…」


「…いやいやいやいや」



何を言っているんだこいつは。


あり得ない妄想にさすがの大将もちょっとばかり引いてしまった。


ブツブツ言い出したクライドは多分今脳みそがこの世界にないのだろう。






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