ブルービースト
「どう…ねぇ」
質問されたブロードは少し考えると溜め息をついた。
アサギを見上げて正直な話をする。
「……俺は、今日あの子を見て…、怖いと思いました。」
「あぁ?怖い??」
「平気で敵を殺していくんです。
俺が注意したら渋々やめたけど、ちょっと信じられなかった。」
それを聞いたアサギはまた苦笑した。
「注意したらやめたんだろ?昔のお前よりかはましじゃねぇか」
アサギのその言葉にブロードはばつが悪そうに口を尖らす。
「…そうですけど、その話は出さないで下さい。昔の自分なんか嫌いだ」
「今の自分は?」
「……………………。」
――…このおっさん、的確なところを突きやがる。
ムカついたがそれは表情には出さず、ブロードはへらっと笑って誤魔化した。