ブルービースト
* * *
「………そうしてユノちゃんの尾行作戦は幕を閉じましたとさ、めでたしめでたし」
「めでたしじゃありません。刺しますよ」
「ゴメンナサイ」
第一部隊共有のフロアリビング。
そこのソファーでことの次第を話していたユノは、レイツの言い様にムカつき短剣を取り出した。
どうやら尾行作戦が失敗したからかご機嫌ナナメなようである。
「まぁまぁユノさん。尾行って手段はいいですけどねぇ~、ブロードさん相手じゃ敵わないわよぉ」
リシアはビーフジャーキーなんぞを食しながら、ユノを適当に宥めた。
ユノはしかめっ面して短剣をしまうとレイツを睨む。
レイツは心の中で八つ当たりだぁあと嘆きまくったとか。
「なんで皆は気にならないんですか。協力してくださいよ」
「協力っていっても、ブロードさん相手じゃ…」
ユノの言葉にシエラが苦笑する。
その横でクリスはうつらうつらして眠気に耐えていた。
隊員達はまた姿を消した自分達の上司をここで待っているのだ。
もちろんクリスの膝の上を陣取っているポチも一緒に。